オーリング基礎コース

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Basic Course of the O-Ring



オーリングについての基礎的なことがらを学ぶことができるようになっています。

1996年03月15日 掲載
2008年07月03日 更新


基礎コース目次


Bi-Digital O-Ring Test(オーリングテスト)とは

 大村恵昭教授の考案による新しい診断法と治療であり、圧刺激や物質の電磁場などによる微小な生体刺激により脳が筋肉のトーヌスに及ぼす反応を、被験者が2本の指でつくった輪(オーリング O-Ring)を検者が指で左右に開こうと引っ張り、それに抵抗する被験者の筋力の変化で調べる方法です。


オーリングテストの歴史

1.オーリングテストの成立

 オーリングテストの創始者である大村恵昭教授は、1934年3月28日に富山県でお生まれになりました。日本大学電気工学科を経て、早稲田大学の応用物理学科を1957年に卒業。横浜市立大学医学部にそれと同時期に在学し、1958年に卒業されたという異色の経歴をお持ちです。
 大村教授は、学生時代より臓器代表点と圧痛点の関係に興味を持っておられました。例えば、胃が悪いときに、みぞおちと臍の間のあたりを押さえると痛く感じることを経験したことはありませんか。そこには胃を代表する経穴があり、胃が病気のときには押さえて痛い場所ができているのです。虫垂炎(いわゆる盲腸炎)で、右下腹部に押さえて痛い場所ができますが、これが西洋医学でも診断の根拠として使われています。
 大村教授はこの現象を使っていろいろな病気を診断するのに使えないものかと考えておられました。このことが、オーリングテストの成立に深くかかわってきますが、電気工学と医学の両方の分野に精通されておられたということが、生体の現象を科学的に分析研究し、オーリングテストを生み出すことにつながっていったものと思われます。
 1959年にアメリカに渡られ、1965年にコロンビア大学医学部薬理学および外科より医学博士号を受けられております。1962年よりマンハッタン大学電気工学科客員研究教授になられ、それに並任して1966年からはニューヨーク医科大学薬理学部助教授および外科講師をされておりました。
 1972年に、大村教授はニューヨークのアルバート・アインシュタイン大学医学部に招待され、皮膚移植の公開手術を鍼麻酔で行いました。これが成功し、アメリカで最初の鍼麻酔成功例として全米に報道されたのです。
 大村教授は鍼麻酔の成功を契機に、鍼の微小循環・脳循環・筋肉神経系に対する影響を徹底的に調べ始めました。そうして、大村教授はヨーロッパのいろいろな大学で招待されて鍼治療のデモンストレーションを行っております。
 このあとパリ大学客員教授、シカゴ医科大学薬理学教授などを経られ、現在ではニューヨーク心臓病研究ファウンデーション研究所長、ニューヨーク州公認国際鍼・電気治療大学学長、マンハッタン大学電気工学科客員研究教授、ウクライナ国立医科大学ノン・オーソドックス医学教授、昭和大学医学部生理学客員教授などをされながら、国際的に活躍されております。
    大村教授は、鍼と電気治療研究の国際雑誌(Acupuncture & Electro-Therapeutics Research, The International Journal) を1975年に創刊し、編集長になっておられ、膨大な量の論文をかかれているほかに、鍼の研究成果を多くの書籍に執筆しております。
 また鍼の研究を始めたころに、大村教授はアプライド・キネシオロジーで異常部位刺激によって筋力が変化する現象に着目しておられました。これはアメリカのジョージ・グッドハート博士が開発したもので、病的部位に手を当てたり、口に薬を入れたときに、横に伸ばした腕の力を調べて診断する方法ですが、誤診が多く、信頼性に乏しいものでした。
 大村教授がいろいろ研究した結果、腕のような大きな筋肉よりも、脳で最大限に代表されている手の指の筋肉を使うほうが、正確で、疲れも少なく、検査に適していることがわかりました。大村教授が1969年に開発した機械で脳循環を測定し、さらに手の握力と脳循環の関係を研究し、その成果を1978年に発表されています。
 さらに、大村教授は病的な圧痛を起こすのには、1平方ミリメートルあたり最低80〜100 gの力が必要であるのに対して、筋力変化を起こすのにはわずかに0.1 g以下の力でよいということを見出しました。圧痛があるかどうか調べるのには、ある程度強い力が必要であり、もし臓器代表点を押さえたとき痛く感じても、それが正常だけれども強く押したため痛んだのか、病的状態のため痛んだかの区別がつけにくい場合があります。ところが、筋力低下現象が見られるかどうかで調べると、痛みをおこす1/1OO0の力という、ごくわずかに触っただけでも反応が起こるため、痛みのために力が抜けたのではなく、病的状態のために触って反応が起きたと診断することができるのです。すなわち筋力変化で調べるほうが、圧痛で調べるよりも、人体の診断的感度が著明に高いというわけです。
 さらに大村教授は、ある波長の光や電場や磁場で臓器代表点を刺激しても筋力変化をおこすことを発見しました。われわれの身体が、視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚の五感以外に、電磁場をも感じていることを示したのです。
 大村教授は臓器代表点を決定するために、すでに診断のついている人で、微小な刺激により指の筋力が弱くなる部位を捜していきました。また、同一の分子構造を持つものを近づけると、筋力が低下するという「共鳴現象」を発見され、その現象を利用することによって、正確な臓器代表点を決定していきました。このようにして得られた臓器代表点を、実際の臨床に応用し、その診断した結果が正しいかどうかを、西洋医学的方法で確認していくという作業を積み重ねたのです。
   そのようにして、信頼できるBi-Digital O-Ring Testが確立され、1981年に「Acupuncture & Electro-Therapeutics Research, The International Journal 」 に発表されました《文献》


2.日本への紹介

 オーリングテストが日本に紹介されたのは、1982年に故間中喜雄博士が「漢方研究」という雑誌に「薬の気味」《文献》と題した随筆にかかれたものが最初かと思われます。
 「(前略)ある日、紐育(ニューヨーク)から畏友大村よしあき君が来たって、一奇術を見せてくれた。(中略)被験者が拇指と示指で輪を作り、これを閉ざす。験者これを解き放そうとしても、なかなか困難である。そこで他方の指を全身の病変部にかすかに触れる。不思議なことに、被験者は満身の力をこめて指の輪を閉ざそうとしても不可能で、魔術にかかったように指は開いてしまう。」
 もちろんこれは奇術ではありません。それまでそのような現象があることを知らない人が見れば、どこかだまされたように思うのも無理からぬことです。間中博士は巧みな文章運びで「このメカニズムは難しい。催眠術でない証拠に(中略)再現性がある。うそだと思うなら各人試みてごらんください。(後略)」と続けています。
 間中博士は、翌年にも「漢方研究」に「大村・二指円環機能障害定位法について」《文献》と題した随筆でオーリングテストを紹介してくださっております。
 日本の雑誌に大村恵昭教授がかかれたものでは、1982年に Japanese Heart Journal Vol.23 Supplement に、英文でオーリングテストのことが記載《文献》されています。1983年には日本語で臨床老年医学大系15の「循環と針」という項目に、「二指Oリング機能異常検出法」としてオーリングテストの記載《文献》が見られます。
 そして、1983年に「医道の日本」という雑誌に「大村テストをきく」という医道の日本社の戸部雄一郎氏と大村教授の対談記事が掲載《文献》されました。その記事がきっかけとなって、日本での最初の講演会が、1985年(昭和60年)に医道の日本社とメディカル・コアとの主催で開かれることになりました。
 「西洋医学と東洋医学の結合による新しい診断法と治療〜Bi-Digital O-Ring Testの実習〜」と題されたその医療ゼミナールのパンフレットには「高価な器械を用いずに全身の臓器の異常を簡単に短時間で判定することができ、また薬剤や飲食物が身体にとって害があるのか良い作用があるのか、良ければ最適量はどの位かを口の中に入れないで判定することができる」と記されていました。
 誰もが、ほんとうにそんなことが可能なのかと思ったことでしょう。
 昭和60年3月16日、東京の野口英世記念会館は満員の400 名の聴衆で熱気に満ちていました。オーリングテストの創始者の大村恵昭教授は、会場の希望者を壇上にあげ、まわりも時間も気にせずに次々と適確に診断をしていきました。会場からは「ほんとうですか」「もう一度やってみてください」「どうしてそうなるんですか」などと質問がとびました。すぐには信じ難いことが目の前で実際に起こっているのです。
 被験者が2本の指で輪(オーリング)を作り、それを検者が指で左右に引っ張って、オーリングを開こうとする。それに抵抗する被験者の筋力を調べるという方法で、本来脳が持っている診断能力を引き出すことがでくるというのです。臓器に異常がある場合、対応する臓器代表点(いわゆる“ツボ”)を棒などで刺激すると、筋力が弱まり、オーリングが開きます。また、薬を手に持つと、それが身体に有益な場合は筋力が強まりオーリングは開かなくなりますが、身体に害がある場合は筋力が弱まりオーリングが開いてしまうのです。さらに、臓器代表点を刺激しながらテストすると、各臓器に対する有効性の判定ができるというのです。
 会場の誰もが半信半疑のまま実習の時間となりました。隣り合った人とペアを組んで、指で作ったオーリングを引っ張ったり、引っ張ってもらったりしました。割り箸を使って、病気と思われる臓器の体表面上をさわると、急に力が入りにくくなり、オーリングが開いてしまうのです。会場からは、あちらこちらから驚きの声があがっていました。体験してみてはじめて、大村教授の話が真実であることを実感したのです。
 こうして、各地にオーリングテストが持ちかえられ、実際の診療の場面での応用が試みられていったのです。


3.発展と普及

 大村恵昭教授の研究はさらに進み、現在では癌などの病理学的診断や、原因菌の判定など細菌学的診断、神経伝達物質の異常などの生理・生化学的診断などが可能となっています。さらに、より正確に診断するための工夫や、新しい発見、各分野での応用法の研究などが進み、難治性疾患の診断治療に素晴らしい成果をあげてきています。
 1986年に日本バイ・ディジタルオーリングテスト協会が設立されました。協会の会長を務める大村教授は、毎年2回ほど来日してくださり、協会の主催でセミナー・ワークショップが開催されています。下津浦康裕先生が運営委員長を務め、下記の医学会の設立に尽力されました。医療関係者を中心に、年々会員数が増加してきています。
 1991年に、全国の50名の大学の教授・助教授などの先生方が発起人となって、日本バイ・ディジタルオーリングテスト医学会が発足いたしました。第1回の日本バイ・ディジタルオーリングテスト医学会総会は、東京大学名誉教授山村秀夫大会会長のもとに、東京大学山上会館で開催されました。毎年1回医学会総会が開かれ、研究発表がなされ、熱心な討議が行われています。
 1993年に、第1回の国際バイ・ディジタルオーリングテストシンポジウムが、早稲田大学国際会議場において開催されました。スウェーデンから、カロリンスカ研究所放射線診断学前主任教授で、ノーベル医学生理学賞選考会議元議長のノーデンストローム教授をはじめ、アメリカ・ドイツ・ロシア・デンマーク・フィンランドからオーリングテストを研究する学者が来日し、3日間にわたるシンポジウムで、熱心な討議が行われました。
 その前後に、東京都庁と、久留米市民会館で外国の先生方とともに公開講座が行われました。通路に人があふれる満席の中、参加者は最後まで熱心に聞き入っていました。
 なお、1993年2月23日に、アメリカ特許庁は Official gazette of the united state patent and trademark office誌上でオーリングテストを普遍的知的所有権として公式に認可しました。過去に生物・人間を対象として使った申請はなく、1985年に最初の申請をしてから認可されるまで8年という長い歳月を要しています。人間の随意筋を使った検査法であり、現代科学の立場から客観的な評価が難しいところであるが、大村教授の徹底した科学的な研究の数々と、すばらしい臨床成績をあげていることが評価され、公的機関の認可を得ることができたものです。


オーリングテストの基礎

1.オーリングテストで何ができるか

1.臓器異常診断
全身の臓器の器質的異常や機能的異常を初期の段階から診断できます。
2.薬物適合性診断
薬剤・薬草・飲食物などの物質が、身体にとって害があるのか良い作用があるのか、またその最適量がどのくらいであるのかを、服用する前に知ることができます。またその事を全身的および臓器別に判定できます。
3.存在診断(局在診断)
サンプルと同じものが存在するかどうか、またそれがどの部位に存在しているかを知ることができます。細菌・病理組織・化学物質などのサンプルを用いることによって細菌学的診断・病理学的診断・生化学的診断などが可能です。
4.イメージング
存在範囲や、臓器の形態などを体表面上に描出して、画像診断ができます。

の4項目があり、1〜3までの診断と、1〜3のそれぞれの場面で使える4のテクニックを駆使すると、患者に苦痛を与えず、高価な機械を使わずに、あらゆる疾患の詳しい診断と、適切な治療薬の決定、さらに治療行為の評価、治療経過の確認などが可能となります。
 日常の風邪引き腹痛などの病気から、現代医学で原因不明とされ治療法もない疾患でも対応が可能です。現に、治る見込みがないと言い渡された数々の患者さんの病気を快方に向けることができて喜ばれています。


2.オーリングテストの基本的方法

1.被験者の準備
電場や磁場を持つ物や化学物質を遠ざけ、装身具をはずし、ポケットの中のものを出しておきます。片手の2本の指、例えば親指と人差し指でできるだけ丸い輪を作ってもらいます。この2本の指で作った輪をBi-Digital O-Ring 、略してオーリングとよびます。反対の手は躯幹から離し、指を握っておきます。
2.筋力のテスト
検者は被験者のオーリングの中に左右の指、例えば人差し指を入れ、その指と親指とで検者も輪を作って左右に引っぱり、被験者のオーリングを開こうとします。被験者はオーリングが開かれないよう抵抗します。
3.筋力の評価
このようにして筋力をテストしますが、被験者の筋力が弱くて、オーリングが開く場合を“−”とし“−1”から“−4”までに評価します。オーリングが完全に開く場合を“−4”、3/4まで開く場合を“−3”、1/2まで開く場合を“−2”、1/4まで開く場合を“−1”とします。

被験者の筋力が強くてそのまま引っ張ってもオーリングが開かない場合を“+”とし、“+1”から“+4”までに評価します。もとの指に1本加えて(親指に人差し指と中指をくっつけた輪をつくって)引くとオーリングが開く場合を“+1”、もとの指に2本加えて(親指に人差し指と中指と薬指をくっつけた輪をつくって)引くとオーリングが開く場合を“+2”、もとの指に3本加えて(親指に残りの全部の指をくっつけた輪をつくって)引くとオーリングが開く場合を“+3”、全部の指で作った輪で引いてもオーリングが開かない場合を“+4”とします。

4.検査指の決定
正確なオーリングテストをするために、検査する指を決定することが大切で、次の3つの条件を満たす被験者と検者の指の組み合わせを捜します。第1は、検者がそのまま引っぱってもオーリングは開かない事。第2は、検者がさらに左右1本ずつ指を加えて引っぱるとオーリングが大きく開く事で、被験者の力が強い場合には被験者の弱い指の組み合わせ(例えば、親指と中指のオーリング、親指と薬指のオーリング、親指と小指のオーリング)を試し、被験者の力が弱い場合は、検者が弱い指の組み合わせ(例えば、親指と中指で作った輪、親指と薬指で作った輪、親指と小指で作った輪)でオーリングを引っ張ってみます。いい指がなければ反対の手も試してみます。いい組合せが見つかった場合、もとの力で引っ張って、被験者の首の位置をうつむき・仰むき・右向き・左向きの4つの方向に変えても、被験者のオーリングの強さが変化しないというのが第3の条件です。すべてをみたせばその指の組合せを検査指とします。
5.直接法と間接法
被験者本人の指を引っ張ってテストする方法を直接法とよびます。適当な指の組合せがない場合や、本人がうまく力を入れられない場合は、適切な指を持つ第三者(助手)を介し、金属棒やレーザー光などで電磁場を誘導してテストすることができます。この方法を間接法とよびます。赤ちゃんや、麻痺があるために力が入らない人、意識のない人、また動物を対象にしてもオーリングテストをすることができます。

対象となった患者さんの病巣の異常な電磁場を、電気の良導体である金属棒を通して誘導し、第三者の脳が反応をおこします。それを第三者のオーリングの筋力変化で読み取るわけです。私たちの身体が病巣から発している微小な電磁場をも感じており、それがいいものか悪いものかを脳が判断し、それをオーリングテストで出力させることができるのです。私たちのの身体は現在開発されているどんな精密機械よりも、すばらしい感度のセンサーとコンピューターを備えているのです。

大村教授は、物質の近くを通過したビーム状の光で、その物質の情報が光の届くほうと、光の発せられたほうの双方向性に伝達する現象を発見されました。この現象を使うことによって、患者さんに近寄れなかったり、ガラス越しなどの場所で診断を行うことができるようになりました。またこの現象を利用して、顕微鏡標本や電子顕微鏡を使って、ミクロのレベルの病態診断をも可能にしました。



3.臓器代表点

 異常臓器に対応して体表面上に刺激に過敏な反応点(領域)ができます。おおむね異常部位から最も近い体表面上で、体表面側からは垂直下にその異常部位がある事になります。ときに解剖学的に電磁場の反射などを考慮したり、経絡・神経・発生学に考えなければならないこともあります。《臓器代表点図解》
 詳しいことは、大村教授の著書「図説 バイ・ディジタルオーリングテストの実習」(医道の日本社刊)」をご覧になってください。


4.オーリングテストの原理と実際

「オーリングテストで何ができるか」で説明した4つの項目について、その原理と方法を説明します。

 

1.臓器異常診断
臓器に異常がある場合、対応する臓器代表点(体表面上)に刺激を加えると、脳から全身の筋肉のトーヌスにわずかに抑制がかかって筋力が減弱し、オーリングが開いてしまいます。筋力の低下がはなはだしくオーリングが大きく開く部位ほど、異常の程度が大きいと考えられます。
2.薬物適合性診断
薬物などの物質を手掌にのせたり指さしたりすることにより、物質から出ている電磁場を手が感受すると、脳を通じて筋力が変化します。その物質が生体にとって有害であれば筋力は減弱し、有益であれば筋力は増強します。

分子内には電子の“−”電荷と原子核の“+”電荷が存在していますが、その分布に相対的なズレがあり分極を生じます。分極した分子が運動することにより電磁場を発生します。その分子の分極状態は分子構造によって決まり、その物質に特有の電磁場を輻射して、分子構造の情報を生体に伝えていると考えられます。その電磁場が脳に伝わり、脳がその物質の性質と量の情報を判断して、筋力のトーヌスに変化を起こします。

脳は情報を判定するプログラムをもっているということになります。動物が、有害なものは食べないか、食べてもすぐ吐き出してしまうことや、必要なものは喜んで食べることなども同じことで、動物が生き延びるための基本プログラムが、遺伝情報により脳に備わっているものと思われます。

また、薬物を手掌にのせ、臓器代表点を刺激すると、対応する臓器別に適合性の判定ができます。例えば、ある薬が心臓によくても、肝臓に負担をかけるだろうということなどが予測できます。薬を手掌にのせただけで、どこも刺激していない状態は、全身に対するトータルな適合性の判定です。

薬物の量を変化させ、筋力が最も強くなったところが1回分の最適量です。1日分ではないことに注意してください。すなわち、その時点でその量のものを飲んだり、食べたりしてよいかどうかを脳が判断しているということです。

包装されている薬などは、それから出してテストします。包装したままで調べると、電磁場の量の情報が減弱した状態で調べていることになるため、安全量より多すぎて副作用をおこす危険があるからです。

同様に、物質からの距離が遠ざかる程、電磁場の量の情報が減弱します。直接手掌にのせられない場合は、5cm以内で調べる物質を指さすとよいでしょう。それ以上離れて調べる場合は、量の情報が減少していることを念頭において傾向だけを調べるか、レーザーポインターを使うなどの工夫をすることが必要となります。

複数の薬の相互作用も判定できます。西洋医学では一つの薬だけを飲んだときの研究はなされていますが、2剤となると限られたものしか調べられず、3剤以上の組合せとなると到底研究が不可能です。生薬のように多くの成分が混ざったものや、漢方薬のようにその生薬が組み合わされたものとなると研究が難しくなり、まして漢方薬と西洋薬の組合せなどの安全性や有効性をあらかじめ研究することは、現実にはほとんど出来ていません。理論的に考えたり、実際に服用させた経験などに基づいて処方しているのが現状です。ところがオーリングテストを使うと、有効性と安全性が各臓器別に判断ができますし、何よりその人にとってよいかどうなのかがわかるところが画期的なことです。安全である、有効であるとわかって薬を服用できることは患者さんの身にとって本当にありがたいことです。

3.存在診断
同じ分子構造をもった物からは同じ性質の電磁場が出ており、2つの物質が同じ分子構造の場合は両者の間に共鳴現象が起こります。体内に存在する物と同じ性質の電磁場を手が感受すれば共鳴現象が起きて、脳を通じて筋力が減弱します。共鳴のコントロール物質として微量のサンプルを手掌にのせ、オーリングの筋力が弱まった場合は、同じ物質が体内に病的状態で存在していると考えられます。また、臓器代表点を刺激したうえでサンプルをのせ筋力が弱まった場合は、対応する臓器に同じ物質が(正常か病的かを問わず)存在していると考えられます。

サンプルの種類を工夫することによって、生理学・生化学・細菌学・病理学的診断ができます。例えば、細菌感染が疑われたときに、ぶどう状球菌や溶血性連鎖球菌など、純粋培養した細菌の顕微鏡標本を用意しておけば、それがどの細菌の標本と共鳴現象を起こすか調べることによって、細菌学的診断ができるのです。それが結核菌を持たせたときに指の力が抜けてオーリングが開けば、身体のどこかに結核菌の感染があるだろうと考えられ、左肺尖部を刺激してさらに筋力が低下するようならば、その部位の肺結核症と推定できるのです。一般細菌でも痰を培養して調べるのには数日かかりますし、結核菌だと数か月もかかるのですが、これがその場で診断ができますので、きわめて臨床上有用なことなのです。しかも、どの薬剤が感受性があるのかも、オーリングテストの薬物適合性試験によって判定ができますので、最初から治療を的確に行うことができるのです。

胃の病気を調べる場合、病理標本を使えば、それが胃炎であるのか、潰瘍であるのか、癌であるのかなどが、X線をあてなくても、胃カメラをのまなくても、その場で判定することができます。

ドーパミンなどの神経伝達物質のサンプルを使って、脳神経系の病態を調べることもできます。パーキンソン病の患者さんで、脳内のどの部位のドーパミンが減少しているのかを知ることができ、どうして異常が起こったのかの原因も追及することができます。それに対する治療法も見いだすことができ、難病を原因から治療する事が可能となっています。

またこの共鳴現象の発見は、オーリングテストの応用を、医学のみならず各領域に広めることができます。間接法を使えば、なくしたものを捜したり、未知の物質にどのようなものが含まれているのか検討をつけたり、どれが本物かを見分けたりすることも出来るでしょう。しかし、体外のものへの応用は、自分の生き残るための基本的プログラムでない分、さまざまな影響を受けやすく失敗する危険も大きいということを考えておかなければなりません。よほどオーリングテストのことを熟知し、手技にも熟練していなければ、かえってオーリングテストをまちがった方向に誘導してしまい、自分勝手な結果を引き出してしまう恐れがあるために、運用に当たっては十分な注意をしていただきたいと思います。

4.イメージング
上記の診断のそれぞれに応用できるテクニックです。異常部や存在部位で筋力が減弱しそれ以外では筋力が変化しないことを利用し、体表面を刺激して筋力の変化する境界を順次プロットしていくと、臓器や病変の存在範囲を体表面上に描出できます。

例えば、膵臓の顕微鏡標本を手に持たせて、膵臓の近くの皮膚を刺激します。刺激する部位を少しずつずらしていき、力が抜け始める点を捜してそこにマーカーで印をつけておきます。つぎに少し違う場所で同じことを調べます。順次、膵臓の付近をを一周して調べます。それらの点を線で結べば、膵臓が体表面に2次元的に投影された像が得られるのです。

インスリンを手に持って膵臓のどの部分で分泌が見られるかを調べたり、ウイルスの標本を使ってどこにウイルス感染があるのかを調べることができます。

単なる形態の検査はMRI・CT・USなどの西洋医学的画像診断学で調べることができるようになりましたが、このようなインスリン分泌やウイルス感染部位などの情報は、生きた身体ではオーリングテストでなければ得られることができません。

イメージングによって的確な診断と治療ができた実際例をお示しいたしましょう。38歳の男の方で、おなかがとても痛くて我慢できずに来院いたしました。前日に「しめサバ」を食べたとのことで、アニサキス症が疑われました。アニサキスの幼虫が寄生しているサバやイカなどを生食することにより、それがヒトに感染すると、胃や小腸の粘膜にその寄生虫が頭から穿入し、激烈な腹痛をおこすことがあります。診断はしばしば困難で、消化管の手術摘出を受け、術後の組織学的検索により診断されることも多いのです。胃カメラ中に見つけることができれば、鉗子で摘出してやることができます。あいにくその日は土曜日でしかも正午になろうとしていました。検査スタッフもすでに帰りじたくをしています。もし、このまま様子を見るとするならば、本人は月曜までうなり通すでしょうし、下手をすると緊急手術を受けなければならなくなるかもしれません。しかし本当にアニサキス症なのか、自分の勘だけでは、スタッフもわざわざ胃カメラをしようとは考えないかもしれません。そこで、アニサキスの標本を手に持たせてオーリングテストをしてみました。患者さんの力が抜けオーリングが開きました。同じ物質間で起こる電磁場の共鳴現象で開いたとすれば、アニサキス症だということになります。もし、アニサキスが小腸にいるのなら胃カメラをしても見つけることはできません。アニサキスがどこにいるのかを患者さんの体表面上を棒で刺激しながら局在診断をすると、みぞおちのあたりでオーリングの力がさらに抜ける反応がみられました。それが胃の中かどうかを調べるために、こんどは胃の顕微鏡標本を手に持たせ、体表面を棒で触っていき、力が抜け始める場所に印をつけていきました。そのようにして何10か所かに印をつけてそれを線で結ぶと、胃の形が皮膚の上に描かれました。アニサキスで反応した点はまさに胃の中にありました。この結果スタッフを説得し、胃カメラ検査を施行しました。まさに予想した場所で、アニサキスが頭を胃の粘膜の中にもぐらせているのが見つかりました。その粘膜からは出血しています。痛がるのも無理はありません。。すぐさま鉗子でそのアニサキスをつかみだしました。その時点でもう一度アニサキスの標本を患者に持たせてオーリングテストを行ってみました。今度は力が抜けませんでした。アニサキスはもう残っていないことになります。一匹だけだったのでしょう。本人の痛みはその場でうそのように消えうせ、入院も必要なくなりすぐ家に帰ることができました。


オーリングテストの使用について

 オーリングテストの研究を個人的に参考にすることは問題がありませんが、医療資格のない方が他人を診断することは、医師法違反になります。また、一般に広く認められた方法ではないため、資格のある方が医学で用いる場合にも、患者さんにまだ研究中の方法であることや、利点や不利益な点を十分に説明し、理解していただいた上で、患者さんの同意に基づいてテストを行うようにしていただきたいとおもいます。
 日本Bi-Digital O-Ring Test協会では、インフォームド・コンセントの書式《医師・歯科医師用》《鍼灸師用》を作成しております。患者さんの署名をいただいた上で、診療録に保存するように勧めております。


オーリングテストの勉強の仕方

 一般の方向けに大村教授がオーリングテストを紹介したテキストとして、別冊すてきな奥さん「『O−リングテスト(オーリングテスト)』超健康(スーパーヘルス)レッスン」(主婦と生活社)《文献》があります。
 医療関係者向けに大村教授が書かれたテキストとして、「図説 バイ・ディジタルオーリングテストの実習」(医道の日本社刊)《文献》があります。
 正確な方法や、間違いやすい点、共鳴現象などについては、1994年に大村教授が自ら出演して実技を披露し、また指導しているビデオ教材「Bi-Digital O-Ring Test(基本編/全3巻)」(医道の日本社刊)《文献》があります。
 また、大村教授が来日されたおりには、セミナー・ワークショップがの主催で行われており、直接大村教授の指導を受けることができます。学会や入会についても

日本バイ・ディジタルオーリングテスト協会
 郵便番号 830
 福岡県久留米市通町111-18 北島ビル 302号
 TEL 0942-38-4181 FAX 0942-37-4131
 ホームページ:http://bdort.net/

にお問い合せ下さい。
 大村恵昭博士は次々に新しい事項を発見し、オーリングテストはますます進化を続けています。最新の研究内容は「Acupuncture & Electro-Therapeutics Reseach, The International Journal 」(英文)に発表されています。購読については 日本バイ・ディジタルオーリングテスト協会に依頼するのがおとくになっています。


オーリング医学へ

 オーリングテストと出会いオーリングテストを使うようになって、誤診や、副作用を防ぐことが実際にできるようになりました。
 筆者はオーリングテストをもっと深く研究し、基礎理論を確立していくことが、テストの精度を高め、幅広い分野での臨床への応用を可能にするのではないかと考えました。そこで1986年(昭和61年)4月に近森病院内に「大村テスト臨床応用研究会」を発足し、以後毎週研究会を開いてきました。その研究成果をふまえ、また大村教授の教えをもとに、まず信頼関係の深い患者さんからオーリングテストを主体とした診療を試みました。その診療成績が良かったため、オーリングテストによる診療を希望する患者さんが次第に増えてきました。
 近森病院は高知県で最も多忙な救急病院であり、筆者はその内科科長を務めていましたが、その立場のままでは本格的なオーリングテストを主体とした診療には無理があると判断し、平成元年12月に医療法人近森会のなかに「東洋医学科」を設立し、オーリングテスト専門外来を開設するに至りました。
 東洋医学科開設後患者数は急増し、半年で受け持ち患者数が 600名を越えるに及びました。十分に時間をかけた正確なオーリングテストが、多忙なためにできなくなくなることを懸念し、それ以後原則として新規患者の受入れをストップしております。個人として無理をし、一人でも多くの患者を診るとしてもその数には限りがありますが、もし医療関係者の方が一人でもオーリングテストができるようになってもらえるとしたら、その人が一生の間に何千人かに素晴らしい医療を提供することができるでしょう。
 正確なオーリングテストを提供し、それを見てもらうことによって、オーリングテストの正しい普及に貢献できるとすれば、それが大勢の人を救うことになるのではないかと考えています。
 原則的に新規患者をストップする時期までの新患の診療成績は、 204例のうち 189例(93%)が有効でした。それ以後、新患は他の医療機関からの依頼の患者さんと職員に限りましたが、平成3年の新規患者の成績は、133名のうち改善 127名(95%)で、以前よりさらに高い有効率を得ることができました。今でもほぼ同じ有効率を維持していますが、全経過を通じて副作用(誤治)は1名もなく、このことはオーリングテストのすばらしさを如実に物語っていると思います。
 有効率がきわめて高く、この評価には筆者個人の色眼鏡がかかっているのだと思われる向きもあろうかと思います。筆者がまだオーリングテストを知らなかった1981年(昭和56年)10月〜1982年(昭和57年)10月の漢方治療の成績は、当時漢方の研究会で報告したデーターがありますが、162 処方のうち有効 127例(78%)、無効35例(22%)、副作用6例(4%)という成績でした。おなじ評価基準でデーターをとってありますが、オーリングテストを用いることによって、有効率の飛躍的な上昇と、副作用の防止ができたことがわかります。
 オーリングテストの取り入れ方として、まず最初はオーリングテストを診察法の一つとしてとらえ、補助診断法として臨床に用いて行くのが良いと考えます。
 筆者はそこからさらにオーリングテストを主体とし、医師としての判断で納得できるものを積極的に取り入れてみたらどのようになるのか、そのモデルケースとして実践してみました。また、そのなかで診療した患者さんは、内科疾患はもちろん外科、小児科、産婦人科、泌尿器科、精神科、整形外科、脳外科、皮膚科、眼科、耳鼻科、口腔外科、ペインクリニックなどあらゆる医学領域にわたっていましたが、すべての分野で高い治療成績を上げることができたのです。
 このことから、筆者はオーリングテストというものを単なる診察法の一つという観点だけではなく、西洋医学、東洋医学などを含む大きなジャンルとして、「オーリングテスト医学」という立場からとらえていっても良いのではないかと考えるようになりました。
 そこで、近森病院が新館を建設することになったのをきっかけとして、医療法人近森会の近森正幸理事長の御理解を得て、「東洋医学科」を「オーリングテストクリニック(オーリング科)」と改め、近森病院新館のなかにオーリングテストと銘打った外来診療施設を設けることになりました。そして1992年(平成4年)7月27日に、新館が完成しオープンの運びとなりました。「オーリングテストクリニック(オーリング科)」の名称を用いるのは、世界でも初めてのことでしたが、オーリングテストの名を汚さぬようモデル診療施設として、医学界への普及に貢献して行くべく日々務めております。
 その後、2003年10月に医療法人 近森会 近森病院第二分院の増改築竣工の折に、同院の2階西側に外来を移転し、現在に至っています。
 医療関係者の方で見学を希望されます方は筆者までご連絡下さい。


オーリング文化の創造

 それまでの自分が、本に書いてあること、人がこうであると言っていることなどから知識を得るしか方法がなく、それが本当に正しいことかどうかはわからないままでした。オーリングテストに出会ってから、自分の脳がよいものと悪いものを判別できるということを知り、その判断を利用していけば、それまでよりいい結果をもたらすことを体験しました。
 かつて人間が直立し、手を自由に使えるようになって新しい文化を築いてきました。今度は脳の使い方を知って、さらにすばらしい文化を築いていくでしょう。
 体によいものは、環境にもやさしい。地球で生きている生命体にとって、必要なものは地球に備わっているのです。オーリングテストで診療していると、細菌やウイルス感染のある病巣に、循環障害が生じ、日常の食品などに混入している鉛や水銀などの重金属や化学物質が病巣にこびりつき、そのために免疫系の異常を引き起こして、病気が複雑化・難治化していく事がよく見られます。また、電磁場による障害もかなりの頻度で見られます。このようなことはオーリングテストにより大村恵昭教授が指摘してきたことです。オーリングを使って診療し、それを臨床検査によってで裏づけがとれたり、それらの原因を取り除くように指導していくと、難病が治っていくことからこれらの環境要因が病気に大きくかかわっていることがわかります。オーリングテストで有害物に汚染されたものは、適合性試験をするとオーリングが開いて、食べてはいけないものだとあらかじめ避けることができますし、有害電磁場の環境で、オーリングが開いて危険を教えてくれます。
 オーリングテストを使う人が増えていけば、本当に大切なものが何かわかっていくでしょう。どのように生きていくのがよいのか、みいだせるようになるでしょう。今までは何となく感じていた「気」が、見えなくても情報を有したものであることが、自分の体で、自分の脳で理解できるでしょう。
 そうしていくことが、人類を救い、環境を守り、地球にすむ生命を大切にしながら、新しい文化を築いて、宇宙の進化に貢献することになるのではないでしょうか。


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基礎コース責任者: 山本重明 Shigeaki YAMAMOTO