牛と牛糞におけるO-157の存在診断

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Testing cattle and feces with O-157


オーリングテストで病原性大腸菌O-157の存在を推察する事ができます。
1996年09月03日 展示
 改装

オーリングテストの間接法で、第三者が手に持った標本と指さした対象物に同じ物質が存在する場合に共鳴現象がおこり、オーリングテストで筋力低下が見られることを利用して存在診断ができます。

オーリングテストで病原性大腸菌0-157の存在を推定するには、その参照するコントロール物質として、標本の作製の安全なことと、O-157に特異的に反応することから、O-157免疫血清を用いることをお勧めいたします。筆者は、デンカ正研株式会社(東京都中央区日本橋兜町12番1号)の病原大腸菌免疫血清「正研」(体外診断用医薬品)を一滴スライドガラスに滴下し、カバーガラスで封入したものを作成して研究用に用いています。

この標本を第三者のオーリングと反対の手に持たせて、その手で対象物を指さします。対象物にO-157が存在する場合には筋力低下現象が見られ、オーリングが開きます。
オーリングテストで体外の物質と手に持ったものとの間の共鳴現象を調べることは、ノイズの混入などにより判定を誤る可能性が高いため、テストとその結果の解釈にあたっては慎重を期する必要があります。実際の判定にあたっては、培養検査などで確認することが大切です。

適切に調べることができるならば、その簡便さと迅速さは、スクリーニングとして威力を発揮するものと思います。


牛がO-157を保菌しているか調べている写真
牛を対象にO-157の存在をテストしています。
第三者(女性)の左手にO-157の血清標本を握らせ、対象となる牛の腹部を指さしてもらい、右手のオーリングの筋力を調べています。
筋力は変化しておらず、O-157陰性と推察されます。

この牧場では10数頭ほど調べましたが、牛には共鳴反応が見られませんでした。
他の牧場では30数頭中1頭でO-157の共鳴反応が見られました。


牛糞にO-157が存在しているか調べている写真
牛の糞便を対象としてO-157の存在をテストしています。
第三者(女性)の左手にO-157の血清標本を握らせ、対象となる牛糞を指さしてもらい、右手のオーリングの筋力を調べています。
この糞便の一部分にO-157で共鳴現象がみられ、筋力が低下しオーリングが開いてしまっています。
その部分にO-157の存在が推察されます。

この牧場では60数個の牛糞を調べましたが2個に共鳴反応が見られました。

 ● 病原性大腸菌O-157の予防とオーリングテストの活用
 ● オーリング博物館特別展
電子版オーリング文化センター総合案内所



展示および記載責任者: 山本重明 Shigeaki YAMAMOTO