EBウイルス
Epstein-Barr Virus

Epstein-Barr Virus(EBV、EBウイルス)は1964年に熱帯アフリカの小児に多発するバーキットリンパ腫から分離された、世界で最も古いヒトヘルペス属ウイルスで、その呼称は、発見者であるEpsteinとBarrに由来しています。成人のほとんどが既感染者で、他のヘルペス属ウイルス(単純ヘルペス1型、2型、水痘・帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス、HHV-6、HHV-7)と同様に、ヒトに潜伏感染し終生宿主に宿るという性質を持っています。EBウイルスは、他のヘルペス属ウイルスと違って、Bリンパ球に感染して不死化するという特徴を持っています。EBウイルスの急性感染症としては伝染性単核球症が知られていますし、バーキットリンパ腫と上咽頭癌の病因ウイルスとしても認知されています。最近では広範に種々の疾患に関連があることがわかってきています。

O-Ring Test筆者の経験では、悪性腫瘍で他の要因と複合してEBウイルスの感染がみられたり、自己免疫疾患など種々の難治性疾患でEBウイルスの反応が見られることがあります。EBウイルスの感染により免疫に異常が引き起こされ、それが病態を複雑にしている可能性があると思われます。

2004年10月04日 掲載
山本重明